医療技術の進歩とともに、検査や医療行為の技術はより高度で複雑なものになりました。それにともない、医療の現場では治療に携わる複数の専門職の人たちが連携して、患者の治療やケアをするようになっています。医療系の専門職は医師や看護師を含め、20種類以上の職種が存在しています。医療系の専門職にはどのようなものがあるのでしょうか。
医療系の専門職は、自ら判断して医療行為をする「医師」「保健師」「助産師」などの職と、指示を受けて医療行為をする職とに大別できます。指示を受けて医療行為をするものは、医療従事者や医療技術者と呼ばれています。医師の指示の下で患者の診察や診療を手助けする「看護師」、医師と連絡をとりながら救急救命の現場で処置をする「救急救命士」などです。チーム医療の現場では、さらにそれぞれの専門性によって職種は細かく分化していきました。身体の障害によって基本的動作能力が低下している者の回復は「理学療法士」、日常生活に向けて運動能力を回復させるなら「作業療法士」が専門です。この他に、聴覚機能の維持や向上を目的とする場合は「言語聴覚士」、視覚機能の回復や矯正は「視能訓練士」が担います。これら4つの仕事はリハビリテーション職とも呼ばれています。
また、現代医療は技術の進歩とともに、医療機器の使用に専門的な見地が必要です。そのため、生命維持管理の機器を扱う「臨床工学技師」、検査機器を扱い検体検査をする「臨床検査技師」、MRIやX線撮影機器といった放射線を使う検査や撮影をする「診療放射線技師」などの仕事があります。